学習用デジタル教科書を制度化する「学校教育法等の一部を改正する法律」等関係法令が施行されました(2019年4月)。これまでの紙の教科書を主たる教材として使いながら、必要に応じて学習用デジタル教科書を併用することができることになり、「色覚の多様性に対応できている?」「どのような使い方をされるんでしょう?」といった心配の声がCUDOの相談窓口に増えてきています。

【保護者の方へのお願い】
1、「デジタル教科書の色づかい」は、お子さんにとって見分けやすい配色になっているかの確認をしましょう。
→ P型、D型それぞれに見分けにくい色合いの傾向があります。また、色覚シミュレーションツールを利用するのも便利です。
*色覚シミュレーションツールについて

2、デジタル教科書を使った授業内容で、困ることはありませんか?
→ CUDOでは、デジタル教科書の授業の進め方の現状調査を行っています。お子さんが「色がわからなかった」など困ったときはCUDOまでお気軽にご相談ください。

《相談窓口 受付日時》
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*困った内容は「その他」欄にご入力ください。

◆文部科学省では、【学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン】を発行しています。
色覚の多様性に関することを抜粋しましたので、参考にしていただければと思います。

学習者用デジタル教科書・学習者用デジタル教材の主な学習方法等の例として、
○ 具体的には,(ア)学習者用コンピュータの使用,(イ)他の学習者用デジタル教材と組み 合わせた使用,(ウ)他の ICT 機器等と組み合わせた使用等により,以下のような学習方法 が可能となることが考えられる 21。
(ア) 学習者用デジタル教科書を学習者用コンピュータで使用することにより可能となる学 習方法
② 教科書の紙面にペンやマーカーで書き込むことを簡単に繰り返す
⑤ 教科書の紙面の背景色・文字色を変更・反転する

(グループ学習の場面)
○ グループでの議論を行うなど,児童生徒同士が教え合い学び合う協働的な学習の場面 (エ) 自分の考えを見せ合い,共有・協働する
① 学習者用デジタル教科書への書き込み等により自分の考えを可視化し相手に示し つつ説明する。また,他の児童生徒と意見交換しながら,学習者用デジタル教科書 にペンやマーカーで書き込むことを繰り返す。その際,書き込んだ内容を児童生徒 間で共有することで,他の児童生徒の意見を自分の意見と組み合わせたり,編集し て活用したりする

(特別な配慮を必要とする児童生徒等の学習上の困難の低減)として
(ク) 教科書の内容へのアクセスを容易にする
① 学習者用デジタル教科書を学習者用コンピュータで使用することにより,文字の拡 大,色やフォントの変更等により画面が見やすくなることで,一人一人の状況に応じ て,教科書の内容を理解しやすくする。

【学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン】は、文部科学省サイトにて詳しくご確認いただけます。
【学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン】

◆ 医師会、眼科医会「文部科学省初等中等教育局教科書課に対する意見書」を提出されました。参考として、色覚の多様性に関する内容を抜粋します。

「デジタル教科書」の効果的な活用の在り方等に対する意見について(2018年)/医師会】
対応ソフト・アプリが、色覚異常・羞明・視覚過敏・視覚障害の種類等へ個 別に対応できるような配慮が必要。 色覚異常については男性の約 5%の頻度であり、男女 40 人クラスには、大 凡 1 人程度色覚異常の児童生徒が在籍することになるので、紙媒体の教科 書はもちろん、デジタル教科書においても、色覚異常の児童生徒への配慮あ る色使いや色のバリアフリーが必要である。

【「デジタル教科書」の効果的な応用の在り方等に関するガイドラインについての意見書(2018年)/日本眼科医会】
色のバリアフリーに関しては、デジタルであろうがなかろうが今後も教科書のコンテンツそのものが色のバリアフリー化をしっかしと考慮され作成されることが強く願っております。