色覚の検査方法

色覚のタイプは、眼科の精密検査によって知ることができます。色の感じ方と平均値的な色の感じ方を比較する検査方法には、Munsell 100Hueテストやオンラインのテストなどがあります。これらの検査により、同じ色覚タイプであっても色の感じ方は全く同じではなく、個人差があることがわかっています。色の感じ方は、何が「正しい」「間違っている」といった観点とは異なるといえます。

※ オンラインのカラーテストサイト(英語版→)X-lite “Online Color Challange”

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色覚検査に適する年齢

色の認識は生後5ヶ月ぐらいからでき、色名と色合わせは2~4際ぐらいからできるといわれています。また、5歳ぐらいまでに物と色と色の名前を結びつけ、覚えていきます。*個人差はあります。

色覚検査では、検査方法を正しく理解し質問に的確に答えることが求められるため、色覚タイプの確定検査は小学校4年生が望ましいとされています。

 

色覚検査の種類

・「石原式色覚検査表」

小学校などで一般的に使われているスクリーニング検査です。一般色覚かどうかを調べる検査です。

 

・PanelD-15
15個のカラーキャップを近い色の順番に並べる検査です。色覚の程度(強度・中程度以下)を調べることができます。

Panel-D15
Panel-D15

 

・アノマロスコープ
色覚タイプや程度を判定する検査です。(確定診断)

アノマロスコープ
アノマロスコープ

小学校における色覚検査の削除〜現在の対応

2002年から学校での色覚検査は定期健康診断から削除され、希望者への検査へと移行されました。その背景には、検査の仕方(プライベートが守られていないこと)や、検査に関する説明が十分ではなかったことなどから、一般的な色覚ではなかった子どもは「異常」と判定され、色が分からないといった意味で「色盲」と呼ばれたり、色の見分けが弱いという意味で「色弱」と呼ばれるようになりました。また、赤と緑の二色だけがわからないという誤解も生みました。
P型やD型色覚の人は、C型色覚の人に理解がされづらく、過去の長い歳月には進学・就職・資格取得・結婚などに差別的な対応がありました。
2016年に学校保健安全法が改定。児童生徒等が自身の色覚の特定を知らないまま卒業や就職時期を向かえるにあたって、始めて自身の色覚を知り、就業規制に直面するという実態の報告されたことから、教職員は色覚に関する正確な知識を持ち、学習指導、生徒指導、進路指導等においてP型やD型色覚の子どもへの対応を行うとともに、適切な指導を行うように取り計らうこと等が推進されています。

 

1クラスのP型・D型色覚の児童生徒の割合

P型・D型色覚の人の割合は、日本では男性の20人に1人、女性の500人に1人、日本全体では320万人以上いるとされています。学校1クラス40人の場合、P型・D型色覚の児童生徒は1人いることになります。1クラスに2人いたケースもあります。

 

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